歯を抜かずに矯正したい方は
「矯正治療を検討中だけど、歯を抜かなければ治療ができない。」と言われ、矯正治療に二の足を踏んでいる方も多いのではないでしょうか?
子供向けと大人向けの方法がありますが、本ページでは、大人向けの方法についてご説明いたします。
手技その1
歯列の幅を広げてから歯を移動させる
まず、“歯を抜かなければ矯正治療ができない”という理由についてご説明します。
矯正治療は、歯を正しい位置に移動させることで歯並びを整えます。歯が移動するためには、余分なスペースが必要となります。10人掛けのイスに11人の人間は座ることができません。11人がけのイスを用意する必要があります。
以下のような装置を用いて、歯列の幅を横に広げることで、10人掛けのイスから11人掛けのイスにしていきます。
歯列の幅を横に広げる装置
装置装着前
歯列の幅が狭く、10人掛けのイスの状態。
装置装着中
歯歯列の幅が広くなり、11人掛けのイスの状態。
治療後
非抜歯で治療を終える事が出来ました。
経験豊富な矯正専門による“診断”と“綿密な治療計画”が必須
歯を抜かずに矯正治療をするために、何でもかんでも歯列の幅を広げればよいというものでもありません。成功に導くためには、正貌(正面)セファロレントゲン撮影と側面セファロレントゲンにおける治療後の予測シュミレーションが欠かすことができません。
無理に歯列の幅を広げたり、歯を移動するとアゴの骨から歯の根が飛び出てしまいます。結果、歯茎が下がってしまったり、歯が安定しません。骨の量には個人差があります。正貌(正面)セファロレントゲンを撮影し、歯列の幅を横に広げることが可能かどうか。側面セファロレントゲンで歯を移動できる余地があるのかなど事前に予測シュミレーションする必要があります。
限界を超えて幅を広げてしまうと矯正治療後に後戻りを起こす事が多いです。せっかく、矯正治療をしたのに元に戻ってしまったら意味がありませんね。無理の無い治療計画が大切です。 また、歯列の幅が狭い原因には、遺伝の他、悪習慣(くせ)でおこる場合もあります。このような癖を除去する治療も治療全体のプランに組み込んで後戻りの予防をしてくことが必要です。
手技その2
前歯を前に出す方法を選択する
歯を抜かずに矯正治療を進める場合、前歯を前に出すという方法を選択もできます。 元々、前歯が内側に傾斜して歯がガタガタしている場合には、下記の写真の様に前歯を前に出して隙間を作り歯を並べます。
治療前
治療後
(但し、この方法を選択できる方は、元々、前歯が内側に傾いていることが条件です。)
手技その3
歯列全体を後ろに引っ張る
マイクロインプラントを用いて、歯並びを後方に牽引することで抜歯を回避する方法もあります。
インプラントでしっかり固定されたスクリューを支点に、歯を動かしますので、従来の方法では考えられないような歯のコントロールが可能となり、抜かずに矯正することができます。
手技その4
ストリッピング
歯の表面(エナメル質)を削ることで歯の移動するスペースを確保する方法をストリッピングといいます。 歯10本を少しづつ(0.5mm)削ると、合計で5mmのスペースを作ることができます。 ガタガタの程度が少なく抜歯するほどでは無い場合は、ストリッピングを行います。
メリットデメリット
メリットは、歯を抜かずに済むという点です。一方、デメリットは口元が突出してしまう点です。
非抜歯により矯正治療した場合
抜歯後、矯正治療した場合
上記の写真は、レントゲン撮影、横顔の写真、分析の結果を専門のシュミレーションソフトで再現したものです。
鼻の先とアゴの先を結んだ線の事をE-line(エステティックライン)と呼び口元の状態を評価する時に使用します。 日本人の場合、上唇はE-lineに接して、下唇はE-lineより2mm出ている事が、理想的とされています。 当院では、矯正治療前に(1)抜歯をして矯正治療をした場合の横顔、(2)非抜歯で矯正治療をした場合の横顔を患者様本人の顔で予測し、治療するかしないかをご判断していただいています。
歯を抜く(抜歯)矯正を選ぶ人の理由は…
抜歯して現在矯正治療中のスタッフ鈴木
「健康な歯を抜くと将来的に不具合がでるのでは?」という不安がありましたが、シュミレーションソフトで違いを治療前に確認しました。
治療前のシュミレーション
非抜歯の場合、口元が出た仕上がりになります。どうせお金出すなら、自分が納得いく仕上がりにしたいと思い、抜歯を選びました。
一緒に働く同僚から「自分には要らない歯だった」という考え方もあるんだよと言われ、抜歯への不安は取れました。
非抜歯で矯正治療中のスタッフ横地
私は、現在(2017年10月)非抜歯で矯正治療中です。私は、くちびるの力が強いため、先生に非抜歯を勧められました。
抜歯に向かない人とは…
噛む力が強い人
スポーツをしている人、特に、ジムで体を鍛えている方は、矯正治療において抜歯によって生じた隙間が埋まらず、空いたままになる可能性があるため。
くちびるの力が強い人
力が強いと歯列が内側に押されてしまうから。
下顎後退型の人
下あごが後ろに下がりやすいので、顎が痛くなる可能性があるから。
抜歯、非抜歯に関するよくある質問
当院では、歯並びに関する疑問や、矯正治療に関する不安を解決する矯正相談(カウンセリング)を無料で行っています。カウンセリングを受診したからといって当院で矯正治療をしなければならないということはございません。
詳しく話を聞きたいという方は、無料カウンセリングもご利用下さい。